結城の家

狭さを楽しむ24坪の家

世界遺産結城紬の中心街より一駅無人の小さな駅舎を降り、畑の広がる田舎道を少し歩き路地を曲がると結城の家は姿を見せます。

初めて訪れる人は駅前辺りで「木の家に行きたいのですが?」と聞けば直ぐに分かります。(駅前に人がいるかどうかは別として)結城の家は一度見たら忘れない。とにかく個性的な木の家なのです。
全面板張りのシンプルな層二階、そこから南へ大きく張り出したウッドデッキ 玄関へと導く木製スロープが目を引きます。元々畑だったこの地にご夫婦の家を建設されるにあたり、農地転用・開発許可・土留め・土盛り等焦らず一つ一つの問題をその都度一緒に話し合いながらクリアし、半年以上かけ家が建つ敷地となりました。

出会いは当社の工法が紹介された書籍でした。
その本を持って当社モデルハウスにお越しくださり、家造りの夢を話してくださいました。そもそもお二人が家造りを依頼したのは、狭小住宅の設計を得意とする東京の有名建築家の先生でした。
図面まで完成している状況でしたが、その書籍により 当社「外断熱・遮熱工法」の省エネ性と 「杉の家」の自然素材に惚れこまれ、これまで進めてこられた建築家の先生との話を清算され、当社にご依頼をいただきました。

当初よりの家造りのテーマは「狭さを楽しめる家」でした。そのためには無駄なものは排除し、シンプルな空間に豊かさを求める工夫が必要となりました。モデルハウスを見学され、その空間をとても気に入っていただき、モデルハウスをベースに二人用に小さくした家を依頼されました。
これはとても難題な設計となりましたが、何度も打合せを繰り返し新しい家でのライフスタイルを把握。そぎ落とすべきは何かを何度も話し合いました。その結果、無駄をそぎ落とした24坪の家ができました。
これは当社が手掛けた注文住宅で一番小規模の家となりました。緩やかな勾配の木製スロープを上り、シンプルな玄関を開けると必要最低限の広さを確保した土間、壁の厚みも無駄にせぬよう造り付けた玄関収納、リビングから張られた床板は杉の浮造り縁甲板、奥には小さいながらも畳敷きの空間がその先の大きな掃き出し窓から目線が外に抜け広ささえ感じられます。

圧巻は二階の天井まで抜ける太い杉の大黒通し柱です。正にこの家のシンボルとして鎮座しているようです。 大黒通し柱に沿って目線を上げると、リビングの上は大きな吹き抜けとなり、その高さが空間に広がりをあたえています。この辺りの間取りは、ご要望であった当社モデルハウスを存分に感じさせる造りとなりました。

リビング階段を上ると、そこは吹き抜けを囲むように設計されたフリースペースとなります。壁に一枚板で本棚と机を造り付け旦那さんの書斎コーナーをとし、洋服やその他収納品の量を事前打ち合わせにより把握し 無駄のない壁収納を造り付けました。
南面には吹き抜けに沿い一階から二階まで続く大きな掃き出し窓を取り、隣りの畑に目線が抜け広がりを感じる空間としました。夏は二階に設置したエアコン一台で 冬は一階に設置した蓄熱暖房機一台で家全体が心地よくできるよう外断熱・遮熱層で家全体を覆い、一年を通して省エネで快適に生活できる構造としました。

結城の家は24坪の狭さを豊かに楽しむ知恵が詰まっている。井上建築工業自慢の狭小住宅となりました。


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