私が子供のころ家にはたくさんの地下足袋に印半纏(しるしばんてん)姿の大工さんがいつも出入りしていました。小さいころから大工さんの木を使った手仕事を身近に感じていましたので、今の工業化製品を多用した住宅はどうもしっくり来ません。
たしかにこれらの既製品を使ってつくった家はとても明るく、きれいに仕上がっています。しかし、その建物からは大工さんがつくり上げたというエネルギーを感じません。誰がつくっても最終的には同 じ顔の家になってしまう様な気がしてなりません。
ここ20年あまりの工業化住宅の普及には驚かせられます。それと同じくして昔はなかった室内環境によるシックハウス症という問題も急浮上してきました。これは偽者の材料(無垢の木に似せた貼り物)を使ったせいだと思います。
私は家づくりに携わる者として あえて今の住宅工業化の流れに逆行し本物の材料を吟味して本物の大工さんが腕によりを掛けた仕事で、一棟一棟そのお客様にあったように手づくりすれば、そんなものとは 無縁の子供が元気に走りまわれる。
赤ちゃんを安心して床にハイハイさせられる。お母さんが家族のためにおいしい料理をつくりたくなる。お父さんが家に帰るのが楽しくなる。おじいちゃん、おばあちゃんが安心して過せる。世界でたった一つしかないあなたにとって一番いい家ができると考えています。
私が子供のころ感じたあの素肌にやさしい本物の木の家を多くの方に提供したいと思っています。