山里にできた新興住宅街 真新しい町並みの一番奥 そこに建つ園部の家は山裾の輝く緑に包まれています。
家造りに先立ち土地探しからお手伝いをさせていただき 自然素材の家に合う環境を探し、いくつかの候補地を見て回りました。
そして辿り着いたこの地で背景となる裏山の緑に触れた瞬間即決となり、この素晴らしい環境を活かす設計が家造りのテーマとなりました。外観は直線を基調としたすっきりしたデザインとし、その外壁は地元の山で採れる苦灰石の塗り壁を二色に塗り分け、かき落とし仕上げとしました。
玄関前のアプローチはあえて壁で囲い暗さを演出、その向こうに見える裏山の緑を輝かせました。建具職人の技が光る木製玄関戸を引けば、砂利洗い出しの土間がアプローチより続きます。
家造りの記念として、その土間の一角に ご家族とワンちゃんの手形を押していただきました。リビングは山側のウッドデッキへと続く大きな開口を取り、そよ風に揺れる裏山の木々を眺めながらゆっくりとくつろげる家族の憩いの場としました。
リビングからL型に折れてキッチンに立てば、続きの和室の大きな窓からも裏山の木漏れ日が気持ちよく差し込んでいます。
ダイニングの吹き抜けにはペレットストーブの炎が揺らめき、借景の緑にその黒い煙突が二階へと真っすぐ伸びる様は清々しさを感じます。二階は吹き抜けを眺めるホールを中心に各部屋を配しました。
そのホールには本棚と一枚板の大きなカウンターテーブルを設え、お父さんがパソコンを広げる隣りで子供たちが本を読むスペースとしました。そこに座りふと吹き抜け越しの窓に目をやれば 裏山の木々がやさしく揺れています。
天気のいい休日は、缶ビール片手にホールから外へ続く木製バルコニーへ出て、庭のウッドデッキで遊ぶ我が子の姿を見ながら、裏山を渡るそよ風に吹かれ一杯なんてもう考えただけでワクワクしてきます。
何十軒もの新しい家が立ち並ぶこの山里の住宅街の中で一番裏山の緑に映える家ができたと自負しています。
